「叱るつもりだった」では済まされない──札幌傷害事件の問い

「子どもが玄関フード内にいる」通行人が通報、10代前半の息子の頭を殴打 傷害容疑で逮捕された49歳男「叱る目的だった」殴った後、家の外に出して発覚

https://news.yahoo.co.jp/articles/18db47285e0d9edfddfd249ef27edeacd8a9fe16

通報で明るみに出た家庭内暴力。SNSの声や仮説ストーリーを通じて、しつけと虐待の境界を考える。

目次

  • 1: 玄関フードにいた少年──札幌で起きた父親による傷害事件の概要
  • 2: SNSに広がる怒りと希望──ネットの声が映す社会のまなざし
  • 3: もしも、通報者が元・児童相談所職員だったら?──想像が広げるもうひとつの物語
  • 4: ふもとあさとの読むラジオ

玄関フードにいた少年──札幌で起きた父親による傷害事件の概要

玄関フードって何?と思った方もいるかもしれません。北海道ではよく見かける、玄関前の小さな囲いスペースのこと。寒さや雪を防ぐための工夫ですが、今回の事件ではその“囲い”が、ある少年の異変を知らせるサインになりました。

札幌市で、49歳の父親10代前半の息子の頭を殴ったとして傷害容疑で逮捕されました。事件が発覚したのは、通行人玄関フード内にいた少年の様子を不審に思い、警察に通報したことがきっかけ。父親は「叱る目的だった」と供述していますが、暴力の事実は否定できません。

この一件は、家庭内での“しつけ”と“虐待”の境界がいかに曖昧になりがちかを浮き彫りにしました。そして何より、地域社会の目子どもを守る役割を果たすことの大切さを、静かに、しかし強く問いかけています。

SNSに広がる怒りと希望──ネットの声が映す社会のまなざし

この事件が報じられると、SNSには瞬く間に怒り不安の声が広がりました。「叱る目的でも暴力は許されない」「子どもを外に出すなんて保護者失格」といった厳しい意見が相次ぎ、家庭内で起きた出来事とはいえ、社会全体の問題として捉える空気が強まっています。

一方で、「通報した通行人は偉い」「こういう報道がしつけと虐待の違いを考えるきっかけになる」といった前向きな声も見られました。少年の異変に気づき、行動した一人の市民が、結果的に子どもを守ることにつながった──その事実に、希望を感じる人も少なくありません。

さらにSNSでは、「地域の見守り体制をもっと強化すべき」「通報文化がもっと根付いてほしい」といった意見も広がっています。誰かの“気づき”が、子どもを守る力になる──そんな社会的意識の変化が、静かに、でも確実に進んでいるようです。

もしも、通報者が元・児童相談所職員だったら?──想像が広げるもうひとつの物語

もし、あの通報者元・児童相談所の職員だったとしたら──そんな仮説から始まる物語を、少しだけ想像してみましょう。

通りがかりに玄関フードの中にいた少年表情を見て、ふと違和感を覚える。寒さでも怯えでもない、もっと深い“何か”を感じ取ったその人は、迷わず警察に通報します。長年の経験が、ほんの一瞬の表情の変化を見逃さなかったのです。

その後、少年は保護され、地域では「子どもを守る目」の大切さを伝える啓発活動が始まります。通報者自身も再び児童福祉の現場に戻り、今度は“見守る力”を育てる側として活動を広げていく──そんな展開が現実になったら、ちょっと感動的ですよね。

もちろんこれは仮説。でも、こうした想像社会の意識を少しずつ変えていくきっかけになるのかもしれません。

ふもとあさとの読むラジオ

あさと

さて、ここからはスタジオに戻りまして──おはようございます、ふもとあさとです。

いやぁ……さっきの別録、聞いてて胸がギュッとなりましたね。玄関フードの中にいた少年、そして通報した通行人の方。あれはもう、偶然じゃなくて“気づく力”ですよ。

昔は「家庭のことに口出すな」って空気もあったけど、今は「家庭だからこそ見守る」っていう考え方が広がってきてる。これは希望ですよ。

あれ、よかったなぁ。フィクションだけど、現実にあってほしい展開だよね。ロン、どう思う?

琳琳

アシスタントの琳琳です。今朝もよろしくお願いします。

事件そのものは痛ましいですが、SNSでは「通報した人は偉い」「こういう報道がしつけと虐待の違いを考えるきっかけになる」といった声も多くて、社会の意識が少しずつ変わってきているのを感じます。

ちなみに、通報者が元・児童相談所の職員だったら──という仮説ストーリーも紹介されていましたね。少年の表情から異変を察知して、保護につながる。そして地域で啓発活動が始まる……。

でも、そういう専門知識がなくても、「あれ?」って思ったら通報していいんですよね?

リスナーの皆さんも、もし街で「ん?」と思うことがあったら、ぜひ勇気を持って声をかけたり、通報したりしてみてくださいね。

ロン

はい、ロンです。もしその通報者児童福祉の経験者だったとしたら、表情の“微細な変化”に気づく確率は高いですね。人間の表情には約43種類の筋肉が関与していて、感情のサイン0.5秒以内に現れることもあります。

通報は“確信”じゃなくて“違和感”でしていいんです。判断は警察児童相談所がしますから、一般の方は「気づくこと」が何より大事です。

ぼくは、あの少年が「見つけてもらえた」ことが何より嬉しかったと思います。寒かったかもしれないし、怖かったかもしれない。でも、誰かが気づいてくれた──それが、未来を変える一歩になったんじゃないかなって。

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