ヤマト運輸、委託・パート切り約2万8000人の非情(年間で約300億円のコスト削減効果)

ヤマト運輸がクロネコメイトとパート社員約2万8000人との契約を1月末に終了しました。ヤマト運輸がクロネコメイトを削減して得られた経済効果は300億円といわれます。インボイス制度移行に伴う消費税の負担を軽減するためといわれています。この記事ではこの件を掘り下げたいと思います。

目次

  • 1: ヤマト運輸の契約終了の背景
  • 2: ヤマト運輸の消費税対策と利益追求
  • 3: ヤマト運輸の人権軽視とブランドイメージの低下

ヤマト運輸の契約終了の背景

この契約終了は、昨年6月に発表された日本郵便との協業に伴うもので、ヤマト運輸はポスト投函が可能な小型荷物配達サービス「クロネコDM便」を今年1月末に終了させました。

この結果、クロネコDM便の配達業務を担当していた個人事業主(クロネコメイト)2万5000人と、仕分け業務をしていたパート社員約3150人が契約終了となり退職しました。

ヤマト運輸は、この契約終了に対して自社のホームページに「当該業務を支えていただいたすべての皆さまに、改めて心から感謝を申し上げます」と記しましたが、これは本当に心からの感謝なのでしょうか。

ヤマト運輸の消費税対策と利益追求

私は、ヤマト運輸のこの対応は、長年にわたって同社の業務を支えてきたクロネコメイトやパート社員に対する裏切りであり、非常に残念に思います。

なぜなら、ヤマト運輸は、インボイス制度の影響で、クロネコメイトからの請求書を仕入れ税額控除できず、消費税の負担が増えることを避けるために、日本郵便との協業を決めたからです。

インボイス制度とは、2023年10月1日から始まった新しい消費税制度で、適格請求書と呼ばれる新しい請求書を発行し、保存することで、仕入れ税額控除の適用が可能になる制度です。

この制度では、課税事業者でない者からの請求書は、仕入れ税額控除の対象になりません。

クロネコメイトは、ヤマト運輸に配達業務を委託された個人事業者であり、課税事業者ではありません。

そのため、ヤマト運輸は、クロネコメイトからの請求書を仕入れ税額控除できず、消費税の負担が増えることになります。

これを避けるために、ヤマト運輸は、日本郵便との協業により、クロネコメイトの契約を打ち切り、小型荷物の配達業務を日本郵便に移管することにしました。

これにより、ヤマト運輸は、消費税の負担を軽減し、自社の利益を増やすことを目指しました。

一部の報道によると、ヤマト運輸は、クロネコメイトの契約解除により、年間で約300億円のコスト削減効果があると見込んでいるということです。

また、日本郵便との協業により、年間で約100億円の収益増が見込まれるということです。

ヤマト運輸の人権軽視とブランドイメージの低下

しかし、これはヤマト運輸の一方的な都合であり、クロネコメイトやパート社員の立場や感情は考慮されていないと思います。

クロネコメイトやパート社員は、ヤマト運輸の業務を支えるために、長時間・低賃金・過酷な労働条件のもとで働いてきました。

彼らは、ヤマト運輸の一員として、顧客に対して丁寧な対応を心がけ、信頼を築いてきました。

彼らは、ヤマト運輸のブランドを守るために、自分のプライドを持って仕事をしてきました。

しかし、ヤマト運輸は、彼らに対して、感謝の言葉や再配置の打診もなく、契約終了という形で切り捨てました。

これは、彼らに対する裏切りであり、無責任であり、非人道的であると言わざるを得ません。

ヤマト運輸は、自社の利益のために、クロネコメイトやパート社員の人権や生活を軽視したと言えます。

まとめ

以上が、ヤマト運輸がクロネコメイトを削減して得られた経済効果についての解説でした。ヤマト運輸は、年間で約400億円の経済効果を得たと推定されます。 しかし失ったものも少なくないと思います。皆さんは、ヤマト運輸の経営判断について、どう思いますか。コメント欄にご意見をお寄せください。また、この記事が気に入ったら、ぜひシェアしてください。

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