暴排条例は誰を救い、誰を追い詰めたのか──銀行口座が作れない元組員の現実
「刑務所を出たら銀行口座が使えなくなっていた」更生を目指す元暴力団員まで対象に…ヤクザ撲滅を目指す「暴排条例」は社会をどう変えた?
目次
- 1: ニュース解説:暴排条例が生んだ“想定外の壁”
- 2: ネットの反応:治安か、更生か──揺れる世論
- 3: もしも:AIが“反社スコア”で人生を判定する未来だったら?
- 4: ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)
ニュース解説:暴排条例が生んだ“想定外の壁”
「刑務所を出たら、銀行口座が使えなくなっていた」──そんなドラマみたいな話が、実は現実に起きています。文春オンラインが報じたのは、元暴力団員の男性が社会復帰を目指す中で直面した“まさかの壁”。仕事を始めようにも、給料を振り込む口座がない。家を借りようにも、保証金の支払いができない。スマホ契約すら難しい。
「え、口座ってそんな簡単に止まるの?」と思うかもしれませんが、背景には2011年以降に全国へ広がった暴排条例と、金融機関の厳しい反社会勢力排除方針があります。治安維持のために導入された制度が、いま元組員の生活の入口を塞ぐ“副作用”を生んでいる──そんな二面性が浮かび上がってきます。
ネットの反応:治安か、更生か──揺れる世論
このニュースについて、SNSでは意外なほど意見が割れているようです。まず目立つのは「厳しくして当然」という肯定派の声。暴力団の資金源を断つためには、銀行口座の管理も含めて“徹底排除”が必要だという考え方で、「甘くしたら元に戻るだけ」という意見も見られます。
一方で、「それだと更生できないのでは」という否定派の反応も根強いのが現実。口座がなければ働けず、働けなければ生活も成り立たない。結果として社会復帰の道を閉ざし、むしろ再犯リスクを高めるのではないか──そんな懸念が広がっています。
さらに、どちらにも偏らず「どうバランスを取るべきか」を考える議論系の声も増えています。治安対策としての暴排条例は必要だが、更生支援も同時に整えなければ逆効果になるのではないか。こうした“揺れる世論”が、この問題の複雑さを物語っています。
もしも:AIが“反社スコア”で人生を判定する未来だったら?
もし今回の議論がさらに進み、社会がAIによる反社チェックに全面依存する未来が来たらどうなるでしょう。銀行口座の開設、就職、賃貸契約──そのすべてがAIの算出する反社スコアで自動判定される世界。人間の事情や背景は考慮されず、数字ひとつで人生の選択肢が閉ざされてしまいます。
そんな社会で、ある元組員の男性はスコアが理由で仕事も住まいも失いかけます。どれだけ真面目に働こうとしても、AIは過去のデータを根拠に「リスクあり」と判定し続ける。しかし彼を救ったのはAIではなく、事情を理解した同僚や地域の人たちの人間的なまなざしでした。小さな助け合いが積み重なり、彼は再び生活を立て直していきます。
もしこんな未来が本当に来たら、ちょっと皮肉で、でもどこか希望もある話ですよね。制度や技術がどれだけ進んでも、最後に人を支えるのは“人”なのかもしれません。
ラジオ形式トーク(ふもとあさと&仲間たち)
さて、ここまで元組員の銀行口座問題を見てきましたが、いやあ……想像以上に根が深い話でしたね。琳琳さん、まずは前半のポイントを軽く振り返ってもらえますか。
はい。文春オンラインの記事では、刑務所を出た元組員の方が社会復帰しようとした矢先に銀行口座が凍結されていたという事例が紹介されていました。背景には、2011年以降に全国へ広がった暴排条例と、金融機関の厳しい反社会勢力排除の方針があります。
その結果、銀行口座がないと就労、賃貸契約、スマホ契約など、生活の基盤がすべて止まる。制度の目的は治安維持だが、元組員の社会復帰を阻害する副作用が発生している構造ですね。
SNSでも意見が割れてましたよね。“厳しくして当然”派と、“更生の道を塞いでどうする”派。そして“バランスを考えよう”派。
そうなんです。治安対策としての暴排条例は必要ですが、更生支援が追いついていないという声が多かったですね。
ところでロン、さっきの“もしもAIが反社スコアで人生を判定する未来”って話、妙にリアルで怖かったよ。
技術的には、すでに“信用スコア”のような仕組みは存在します。もし反社チェックをAIが完全自動化したら、過去のデータを理由に永遠に“リスクあり”と判定される可能性があります。
怖いですね……。どれだけ更生しても、AIが“過去のラベル”を更新してくれない世界。
でもその中で、人間同士の助け合いが希望になる、っていうストーリーはちょっと救われるなあ。
AIは過去を参照しますが、人間は“変化”を見ます。技術が進んでも、最後に判断するのは人間であるべきです。
では最後に、今日のテーマをまとめましょう。
暴排条例は暴力団の資金源を断ち、一般市民を守る役割を果たしてきました。一方で、元組員が社会復帰しようとする際に銀行口座が作れない、就労できないといった新たな壁を生んでいます。
つまり、治安維持と更生支援のバランスが問われているわけです。制度が強化されるほど社会復帰のハードルも上がり、これは再犯リスクにも影響します。
“暴排条例”“反社会勢力チェック”“銀行口座凍結”“社会復帰”──このあたりのキーワードは、今後ますます議論されそうですね。
制度の目的は正しくても、運用が行き過ぎれば“更生したい人”まで排除してしまう。そこに社会としてどう向き合うかが重要です。
最終的には、制度と技術だけでなく、“人のまなざし”が社会復帰を支える鍵になるでしょう。
というわけで、今日は“暴排条例が生んだ想定外の壁”をテーマにお届けしました。皆さんはどう感じたでしょうか。また次回お会いしましょう。
