日本語・中国語:多言語環境で育つ子供の言語教育について
日本語のみの教育のメリット・デメリット
日本人との国際結婚のご家庭でも、日本の学校や友達とのコミュニケーションに合わせ、敢えて日本語のみの環境を採用するご家庭は少なくありません。
これには以下のようなメリット・デメリットが考えられます。
メリット:
- 日本の社会や学校環境にスムーズに適応可能。
- 言語の混乱が少なく、学習に集中できる。
- 子供は一貫したコミュニケーションスキルを養うことができる。
デメリット:
- 二か国語を同時に学ぶ多言語家庭のメリットを享受できない。
- 中国文化や中国の家族・親族とのコミュニケーションに必要な言語スキルが育たない。
日本語と中国語のミックスの教育のデメリット
私の家庭では、日本語と中国語のミックスの教育を採用しています。確かにこの方針には以下のデメリットがあります。
- 学習の混乱が起きる可能性がある
- 両方の言語を維持・向上させるためには、親の継続的なサポートや教育が必要。
我が家がミックスの教育方針を採用した理由
我が家で日本語と中国語のミックスの教育方針を採用した背景には、いくつかの大きな理由があります。
- 幼少期の学習能力: 子供たちの幼少期の言語習得能力は驚くべきものです。実際、複数の言語を同時に学んでも混乱することはほとんどないと思われます。この特別な時期に複数の言語に触れさせることで、子供たちの脳の柔軟性は格段に高まると思われます。
- 親子の絆: 親として、ママの母国語である中国語で子供とのコミュニケーションを深めることは非常に大切だと感じています。ママが日本語を完璧に話せない状況であっても、中国語で子供に自分の感情や考えを自然に伝えることができます。これは、子供の情操教育や感情の安定にも寄与すると思います。
- 多文化的な理解: 二つの言語を学ぶことで、子供たちはそれぞれの言語の背景にある文化や価値観に触れる機会が増えます。
- 脳の発達: 多言語を学ぶことは脳の発達や柔軟性に良い影響を与えることが研究で示されています。
このような理由から、我が家はミックスの教育方針を採用しています。
日本の学校教育の影響と中国語の維持について
我が家のような多言語の家庭にとって、子供の言語教育は単純なものではありません。日本に住む中国人の夫婦であっても、子供が日本の学校に通うことで、中国語の使用頻度が減少し、徐々にその能力が低下することは少なくありません。特に、親が日本人相手に日本語でのビジネスを展開している場合、子供は幼い頃に中国語を学ぶことができても、学校教育や友達の影響で、日本語の優先度が高まります。この結果、ある日突然、中国語を忘れてしまうことが起こり得るのです。
単に親が中国語で子供に話しかけるだけでは、言語の維持や向上は難しいと感じています。子供はやがて、学校の勉強や友達との関係を優先するようになるため、家庭内での中国語の使用機会を増やすだけでは不十分です。私たちは、日常生活の中で中国語を使用する必要性を意図的に作り出すことが重要だと考えています。例えば、中国の文化や伝統を学ぶためのアクティビティを取り入れる、中国の家族や親戚とのコミュニケーションを積極的に行う、中国のニュースやドラマを視聴するなどの方法を、できる限り取り入れていきたいと思っています。
子供の言語維持に関するこの課題は、多くのバイリンガル家庭で共有されているものでしょう。
ある家庭では「毎年夏休みに中国の親戚の家を訪れることで、子供に中国語のリアルな環境を体験させている」との声も聴きました。
多言語を学ぶメリットについては、「英語とスペイン語を同時に学んだ経験から、脳の柔軟性や他の文化への理解が深まった」との意見も耳にしました。
まとめ
日本に住む中国人の家庭での子供の言語教育は、家庭ごとに異なる取り組みや悩みがあります。しかし、どの方法を採用するにしても、子供がその言語を楽しんで学ぶことが最も大切であることは変わりません。この論考が少しでも、皆さんにとって、より良い教育方法を見つける参考になることを願っています。
ふもとあさと 50代 システムエンジニア 東京都出身 琳琳の夫 |
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琳琳 |
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