50歳の新米パパと中国人妻:日中夫婦が築く多文化の食卓

麻婆豆腐
50歳でパパになった私と、一回り以上年下の中国人の妻。我が家では日本と中国、二つの食文化が交錯しています。多言語環境で育つ子供と同様、多文化の中での食事作りは、家庭内での小さな「国際交流」そのもの。日中カップル家庭における食の共存と融合について、今回はその奥深さを探ってみたいと思います。

日本食における「中華風」はコンビニエンス!

中華料理

我が家でも普通に「中華風」はよく食べています。うちは子供もいますし、生協の宅配を利用しています。炒めるだけの簡単な食材デリバリーでは「中華風」は定番ですね。

「中華風」とは、日本食において、中国料理の影響やテクニック、食材が取り入れられた料理を指す場合が多いです。これは、一般的に炒め物、スープ、揚げ物などでよく見られます。たとえば、日本で人気のある「中華丼」や「五目炒飯」などは、中国料理を基にして日本でアレンジされた料理です。

成立要件としては、以下のような点が考慮されるでしょう:

  1. 食材:中国料理で一般的に使用される食材(例:白菜、もやし、豚肉、エビなど)が用いられる。
  2. 調理法:炒める、蒸す、揚げるなど、中国料理で一般的な調理法が用いられる。
  3. 調味料:醤油、オイスターソース、豆板醤(トウバンジャン)など、中国料理でよく用いられる調味料が使用される。
  4. プレゼンテーション:盛り付けや食器、メニューの構成などでも、中国料理の影響が見られる場合がある。
  5. 名称:料理名に「中華」という言葉が含まれている、または中国料理を連想させるような名称が用いられる。
  6. ローカル要素:地域によっては、その地域特有の食材や調味料が加えられ、独自の「中華風」料理が生まれることもある。

これらはあくまで一例であり、多くの「中華風」料理がこれらすべての要件を満たしているわけではありません。

中国料理の影響を感じさせるような要素が一つ以上含まれていれば、日本で「中華風」とされる場合が多いです。

しかし我が家の場合、「中華風」を超えて、もうちょっと「中国的」なものも多くとりいれています。筆者(日本人の夫)から見て「中国っぽい」と思うことを以下に書きます。

小麦粉をよく使う:饅頭(まんとう)や餃子(ジャオズ)

饅頭(まんとう)

中国人は、小麦粉を良く使いますね。こねて蒸した饅頭は主食レベルですし、餃子もそうです。日本人ならコンビニか冷凍食品をイメージするところですが、中国人は、日本人が朝納豆をかき混ぜるくらい普通に小麦粉をこねます。手間のかかることをよくやると思いますが、そうするのは習慣のようです。

小麦粉は中国料理で非常に多用されています。饅頭(まんとう)や餃子(ジャオズ)はその代表例であり、中国の家庭やレストラン、屋台で一般的に見られる料理です。

  1. 饅頭:饅頭は発酵させた小麦粉の生地を蒸したもので、甘いものから塩味のものまで様々なバリエーションがあります。主食として食べられることも多く、特に北方地域ではごはんよりも饅頭が主食とされている場合が多いです。
  2. 餃子:餃子も小麦粉で作られた皮に肉や野菜を詰めて調理されます。中国では、水餃子(水で茹でた餃子)や煎餃子(フライパンで焼いた餃子)など、調理法も多様です。

これらの料理は手作りが一般的で、確かに手間がかかるものも多いです。しかし、それは家庭や地域、時には祭りや特別な日などでの料理作りにおいて、コミュニケーションや文化の一環ともされています。多くの人が集まって料理を作ることで、その過程自体が楽しまれる場合も多いです。

このように、小麦粉を使った料理は、中国料理においては習慣的にも文化的にも非常に重要な要素となっています。

大きな蒸し器:我が家の定番ごちそうは魚の姿蒸し

大きな蒸し器

中国人妻と結婚してから、大きな蒸し器を買いました。饅頭(まんとう)を蒸すのに良いサイズです。しかし鯛などの魚を姿のまま大皿にのせて蒸すことができるもっと大きなサイズの鍋も追加しました。ホームセンターでもなかなか売ってないサイズでした。

大きな魚を姿のまま大皿にのせて蒸すという調理手法は、確かに中国料理に典型的なものです。特に広東料理や上海料理でよく見られる方法です。魚を蒸すことで、その繊細な食感と風味を保ちながら、素材そのものの味を引き立てます。一般的には、魚には少量の調味料(例えば、生姜、葱、醤油、ごま油など)が加えられ、さらに蒸し上がった後に熱々のごま油や醤油ベースのソースをかけることもあります。

このような蒸し料理は、食材の新鮮さが際立つため、特に高級なレストランや家庭のお祝い事でよく作られます。大きな蒸し器を使用することで、家庭でもこのような料理を楽しむことができるでしょう。

したがって、鯛などの魚を姿のまま大皿にのせて蒸す調理手法は、非常に「中国的」であると言えます。この手法を使って、新鮮な魚を美味しく調理することは、中国料理の精髓をよく表しています。

さまざまな部位の骨付き肉:骨の髄まで食す

骨付き肉

我が家で良く食べる肉料理は骨付き肉が多いです。中国人は日本の肉屋では売っていない骨付きの肉を中華食材屋などから買って好んで食べています。日本の肉屋は骨からキレイに肉を引きはがします。しかしそれはもったいないです。骨に残っている肉が旨いからです。そして骨ごと調理します。こういう発想は日本にはないと思いますが、中国っぽいですね。

確かに中国料理においては骨付きの肉がよく用いられます。骨には多くの旨味成分が含まれており、骨付きの状態で調理することで、その旨味が肉やスープ、煮物にしっかりと浸透します。例えば、広東料理の「排骨」(スペアリブ)や四川料理の「辣子鸡」(唐辛子と一緒に揚げた鶏肉)など、骨付きの肉を使った料理が多く存在します。

日本料理においても、例えば「煮付け」や「おでん」など、骨付きの魚が使われることはありますが、肉に関しては確かに骨から肉をきれいに引き剥がす文化が一般的です。

骨付きの肉を好むという発想は、中国料理においては非常に一般的であり、骨から出る旨味やコラーゲンを大いに活用しています。このような観点から見れば、「骨付きの肉を使う」という考え方は確かに「中国っぽい」と言えるでしょう。

家庭では難しい:強い火力と油通し

中国料理は高温で短時間調理することが多いです。これにはいくつかの理由があります。

強い火力:中国料理ではよく「鉄板」や「大型のガスバーナー」が使われ、これによって非常に高い温度で素早く調理することができます。強い火力を用いることで、食材の外側は高速で調理され、内側は柔らかくジューシーに仕上がります。

油通し:油で食材を短時間揚げることで、食材の表面に軽い皮を形成させる手法です。これによって、食材が柔らかく仕上がるだけでなく、炒め物や煮物に移行する際に味がしっかりと浸透するようになります。

素早い調理:強い火力と油通しの組み合わせにより、料理は素早く調理されます。これは、特に炒め物においては、食材の新鮮な風味とテクスチャーを保つために重要です。

しかし、日本の家庭でこれを真似するのは難しいですし、真似しない方がいいでしょうね。キッチンが汚れるし、良いことありません。

蒸し料理は比較的取り組みやすい:写真は上海蟹

上海蟹

日本の住宅事情(特に都市部の狭いキッチンなど)や、換気設備の問題から、油をたくさん使った高火力な料理を家庭で作るのは現実的ではありませんが、蒸し料理は比較的取り組みやすいです。

蒸し料理は、食材の旨味を逃がさず、かつ健康的な調理法としても知られています。特に、前述のように大きな蒸し器を用いれば、魚をはじめとした多くの食材を美味しく、そして手軽に調理できます。蒸し料理は臭みも取りやすいため、魚料理に特に適しています。

また、蒸し料理は日本料理にも非常に合致していると言えます。日本料理は、食材それぞれの「本来の味」を大切にする文化があり、蒸し料理はそのような食文化に非常に適しています。

蒸し料理は素材の風味を最大限に引き出すことができるため、高品質な日本産の食材とも非常に相性が良いと言えるでしょう。したがって、日本の家庭で蒸し料理を取り入れることは、多くの利点がありますね。

まとめ: 
日中カップルである我が家では、食に関する課題もまた一つの「国際プロジェクト」です。日本の繊細な調理法と中国の豪快な料理スタイルが交わる場で、新たな家庭文化が生まれています。50代で初めての子育てという新しいチャレンジに、食を通しても多文化の価値を次世代に教えていきたいと感じています。
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ふもとあさと
50代
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30代
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中国出身
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ロン
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